トップページ > 子どもの歯にまつわるトピックス > 良い歯科医院の選び方
ここでは、どのようなことを実践している歯科医院を受診すると良いかについて
小児歯科を中心に考えていきます。
患者さんごとのタービン(歯を高速で削る機械)等の交換と滅菌であるとか、マスク、グローブ、アイシールド等の防護具の使用、手指やユニット (診療用チェア)の消毒の徹底などの標準予防策(スタンダードプリコーション)の実施、口腔外バキュームやAEDの設置、 大学病院や他分野の専門医との連携などは多くの歯科医院でおこなわれています。これらが実施されていることは歯科医院を選ぶ上での前提となります。
予約制であることはもちろんですが、たとえば単純に20分にひとりの予約という方式ではなく、治療の難易度や予想所要時間、
お子さんの協力度などによって計画的に予約設定をしていることがポイントです。(美容院でカットだけの方と本格的なヘアメイクに着物の着付けまでの方とでは用意する時間が異なるのと同じです。)
こうした歯科医院では、自然に患者さんも時間を守っていただけるようになり、予約時間を大幅に過ぎてからの診療開始が常態化することはなくなっているはずです。
初診時や定期診査時に、丁寧に歯の状態と通院回数の予測を説明されればその後の受診も安心ですしスケジュールも立てやすくなります。
稀ですが歯科医師にとって予想外の事態となり変更が生じた場合でも、納得できる理由説明と新たな通院回数予測が提示されることが大切です。
下記のような特徴はプライバシーや個人情報に関係するので把握することは一般には困難です。
しかし、何回か通院するうちになんとなく伝わってくる場合もあるかもしれません。
・遠方からの患者さんが多い歯科医院
・歯科医師、医師からの紹介患者さんが多い歯科医院
・医療関係者やその家族が患者として受診する数が多い歯科医院
・専門性の高い医療機関へ自院の患者さんを紹介することが多い歯科医院
・定期診査に長年通院している患者さんが多い歯科医院
「小児歯科」と標榜(ひょうぼう=看板に掲げること)するのは歯科医師であれば自由なため、
歯科医院の6割以上が「小児歯科」という看板を掲げています。
その一方で、およそ10万人の歯科医師の中で小児歯科専門医の資格の保有者は約1200名と1%超程度に過ぎません。
小児歯科専門とされる歯科医院であっても小児歯科専門医が常勤していない場合があります。
もちろん専門医でなくても良質な小児歯科医療を提供する歯科医師は多数いますので、一つの目安とお考え下さい。
専門医のリストはこちらをご覧ください。
歯科で用いるX線にはいくつかの撮影方法がありますが、それぞれに特徴や守備範囲が異なります。
パノラマX線という横長でお口の全体が把握できる方法は、全体像やあごの骨の状態を見るのには適しますが、
奥歯の間の見えにくい虫歯(むし歯)を検出するのには不向きです。
特にお子さんの場合に、幼稚園・保育園、学校での集団歯科健診では指摘されなかった見えにくい虫歯(むし歯)を発見するためにたいへん有効なのが咬翼法
(こうよくほう)別名バイトウイング法という撮影方法です。
小さめの画像(被ばく量もごくわずかです)に咬み合わせた奥歯が上下同時に写りこんでいるもので、
通常は左右2枚をセットで撮影します。
小児歯科に限らず、近年は成人を対象とした歯科診療においても的確な診療と良好な治療結果をめざす歯科医師はラバーダムを使用するようになってきました。
治療・処置をする歯に少しでも唾液が触れることで細菌感染や歯科材料の接着力低下が起きるため、それを防ぐラバーダムは治療結果の良否に直結する器材です。
その他のラバーダム使用のメリットはこちらをお読みください。
保険診療の場合、ラバーダムを使用してもしなくても歯科医師の診療報酬は変わりません。
ラバーダムは購入や廃棄の費用もかかりますから、ラバーダムの使用は歯科医師の診療に対する真摯な姿勢と熱意に支えられているのです。
特にお子さんは唾液が多く、ラバーダムを使用しない小児歯科医療は考えられません。
毎回丁寧に記録を取っている場合には、前回来院時との違いがよくわかり経過を追うことが可能です。
実際に診察をしなくても記録を見ることでお子さんのお口の中が手に取るようにわかります。
このような歯科医院では、たとえば保護者が電話で「子どもの右下の奥から3番目の歯が揺れてきたのですが?」と問い合わせると
「2か月前の定期診査の時にも少し揺れていた乳歯です。永久歯が見えていたり痛みや出血がないなら様子を見ても良さそうです。上のお子さんより生えかわりが早いですね。」
というような具体的な答えが返ってきます。
お子さんは成人に比べて痛みへの感受性が高いため、歯科治療で強い痛みを感じてしまうとその後の診療がスムースに進まなくなります。
お子さんに対する局所麻酔の方法は成人とは異なるので所要時間は数秒程度です。表面麻酔を併用することでほとんど痛みなく麻酔が終わります。麻酔が効けば治療中は痛くありません。
保険診療では通常の虫歯(むし歯)の治療や歯髄(歯の内部)の治療の際に局所麻酔についての診療報酬はありません。
ラバーダム同様、局所麻酔も使用すればするほど歯科医院側は購入や廃棄の費用負担が増加します。
局所麻酔の使用もラバーダムと同様に歯科医師の診療に対する真摯な姿勢と熱意に支えられています。
※症例写真はすべて、患者さん・保護者の承諾を得て掲載しております
当院エンゼル歯科の診療体制について少し
ご紹介をさせていただきます。
当院院長は小児歯科臨床の研修を受けた後、小児歯科学会認定医を経て2006年に日本小児歯科学会認定専門医資格を取得。
その後も学会や専門医セミナー等には欠かさず出席し、
5年に1回は学会発表等をおこなって資格を更新し続けています。
当院ではラバーダムを使用できるケースには全てラバーダム防湿下で治療・処置をしております。ラバーダムについてはこちらをご覧ください。
また、虫歯(むし歯)に侵されている部分を取り残さないよう、治療の際に「う蝕検知液」(虫歯(むし歯)に感染した歯質が赤く染まる薬剤)を使用しています。
当院で用いている歯の記録用紙です。
院長にっきの「小児歯科専門医の虫歯(むし歯)診査法」もご一読ください。
初診時と毎回の定期診査時に1本1本の歯の虫歯(むし歯)の位置や治療済みの部分などの正確な状態を色鉛筆を用いて記録してそれを保存しておくことで、
そのお子さんが何歳の時に歯がどのような状況だったかをすぐに振り返ることができます。
初診時にはほぼ必ず、定期診査時には必要に応じて咬翼法(バイトウイング法)でのX線診査をおこない、歯の間の見えにくい虫歯(むし歯)の発見に努めます。
また、ごきょうだいの記録を一緒に保管することで、たとえば上のお子さんの虫歯(むし歯)の状況を参考に下のお子さんは虫歯(むし歯)にならないように予防計画を立てることなどが可能になります。
この記録は当院の診療の精密さを維持する大切な要素です。
当院ではOQT(One Quadrant Treatment System)を採用して局所麻酔の効いている範囲の複数の歯を1回で治療しています。
お子さんに特化した痛くない局所麻酔法とラバーダムの効果でお子さんは苦しくもなく痛みも少なく、スピットン(うがい設備)がないためうがいに無駄な時間を費やすこともせずに治療が可能です。
コンポジットレジン(CR)修復を多用し、歯髄まで達する虫歯(むし歯)に対しては生活歯髄切断法(歯髄の上半分を薬に置き換える治療法)をおこないますが、
どちらも当日中に完結します。歯が膿んでしまっていなければ多くても7~8回以内で全ての治療が完了します。
治療に要する通院回数は、開始時に文書でもお渡ししています。
かねてより小児歯科に関する専門的な情報発信を続けているためか、当院には医療・歯科医療関係者のお子さんやヨーロッパ、
アフリカ等海外赴任の邦人の方のお子さんも来院されます。
しかし、本来はかかりつけ歯科医院は近い方が望ましいので、遠方からのお問い合わせには
日本小児歯科学会や
JSPP(全国小児歯科開業医会)のネットワークを活用しております。
ネット上のクチコミや評価は意図的に操作できてしまう場合があります。
上記が歯科医院選びに少しでもご参考になれば幸いです。