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乳歯についての心配ごと

癒合歯

2本の乳歯がくっついた形で生えてくる「癒合歯」はおよそ5%前後のお子さんにみられます。

詳しくは「歯の形がおかしい?」をお読みください。

幼児健診等では「心配ない」として細かいところまで説明されないこともあるようですが、いくつかの注意点や経過観察のポイントがあります。

■写真1

写真1は下顎の左(向かって右)の1番目と2番目が癒合歯。
境目がなく、一見すると幅広い歯にみえるタイプ。このタイプは後述する虫歯(むし歯)の心配はほとんどありません。

■写真2

写真2は左下の2番目と3番目の癒合歯で境目があるタイプ。このタイプは境目部分の虫歯(むし歯)予防が必要です。

■写真3

写真3は上の前歯の1番目と2番目の境目のあるタイプの癒合歯が虫歯(むし歯)になってしまったケース。ラバーダム使用のもとで治療をする前の状態です。

癒合歯には注意すべき点は大きく分けて3つあります。

①虫歯(むし歯)になりやすいタイプの癒合歯

境目のあるタイプの癒合歯はこの境目部分から虫歯(むし歯)になることが多いので予防が大切です。 この境目を白色のシーラントで封鎖し、虫歯(むし歯)になりにくい形にすることはたいへん有効です。
写真は白色のシーラントをした境目のある癒合歯です。

② 生えかわり期に注意

癒合歯の下に育つ永久歯は、永久歯の癒合歯も稀にはありますが、多くは永久歯が1歯ある場合 (全体の永久歯の数は1歯少ない)と本来の2歯ある場合に分かれます。
どちらにしても乳歯の癒合歯から永久歯への生えかわりはスムースにいかないことが多いので、 5~6歳までにX線診査により永久歯の数や位置を調べておいて、生えかわりが近くなったらタイミングよく乳歯の癒合歯を抜歯する必要があります。

③ 歯ならびの問題

乳歯の癒合歯の下にある永久歯が本来の2歯の場合には、スペースが狭いために歯ならびに影響することがあります。
歯ならびは癒合歯の存在以外に、もともと顎のスペースに余裕があるかどうかでも左右されます。


乳歯に癒合歯があるお子さんは上記①②③について歯科医院での経過観察、必要なケースではシーラント等の予防処置、X線による永久歯の状態の把握や必要に応じた癒合歯の抜歯、歯ならびへの対応等を長期的継続的に受けていくことが大切です。

乳歯の過剰歯

乳歯に過剰歯(余分な歯)が存在することは永久歯の過剰歯に比べると稀です。
乳歯の過剰歯はさりげなく歯列の中に取り込まれていることが多く、当面はそのまま経過観察、 将来は永久歯の状況をX線で調べて必要があれば抜歯をします。

写真のケースも一見しただけではわかりにくいですが、本来10本の上顎の乳歯が11本あり矢印の歯が過剰歯と考えられます。永久歯への生えかわりが近づくまで経過観察します。

乳歯の過剰歯

※症例写真はすべて、患者さん・保護者の承諾を得て掲載しております

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