1月17日メール相談された横浜市のお母さまへ

1月17日にメールでご相談になった横浜市の1歳児のお母さま。返信メールをお出ししましたが戻ってしまいます。
FAX0463-24-2311にFAX番号か別のメールアドレスをお知らせください。

歯の衛生週間

6月4日からの1週間は歯の衛生週間です。
私の所属する平塚歯科医師会でも、6月7日(土)に大磯町保健センターと二宮ラディアンで、8日(日)には平塚市のOSC湘南シティでイベント開催を予定しています。平塚と二宮の情報は下記サイトに。

http://www.city.hiratsuka.kanagawa.jp/kenko/teeth.fes.htm

http://www.town.ninomiya.kanagawa.jp/event/2008/080607hadukuri.html

私は、3年前からこうしたイベントを担当する役員をしていて、行政側の担当者や協力団体との打ち合わせなどに忙しく動き回る日々です。

お時間がありましたらぜひ会場まで足をお運びください。

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育児・保育雑誌

小児歯科の専門医をしていることもあり、育児雑誌、保育系雑誌などへの寄稿や記事監修を依頼されることがよくあります。
雑誌等掲載の履歴はこちらに→https://angel-dc.com/02.html
小児歯科専門医の数が少ない上に、乳幼児の歯に関する情報を発信している歯科医が全国的にも少ないせいなのか?好奇心旺盛な私の性格が当院のホームページ等を通じて雑誌社の方の目に留まるのか?理由は定かではありませんが、開業歯科医にしては依頼数は多い方かもしれません。

今はちょうど幼稚園教諭、保育士向けの雑誌(学研さんhttps://www.gakken.co.jp/の「あそびと環境0.1.2歳」)記事作成のお手伝いをさせていただいています。
担当者の方が書いた原稿を、専門家としての視点で加筆訂正する作業をしたり、写真を提供したりするわけです。

今回も、癒合歯や切歯結節https://angel-dc.com/12-1-02.htmlといった、乳幼児にときどきみられる歯の形態のバリエーションについて説明したのですが、読者の方々によく理解いただけるように「伝える」という作業はなかなかむずかしいものだと、いつもながら思います。
しかし、知識や情報を発信することも私たち小児歯科医の仕事の一部分だと思っています。
こんな機会には、マスメディアという仕事の大切さを再認識し、従事されている方々のご苦労を少しだけ味わわせていただくのです。

そして、こういう仕事は私にとってもたいへんプラスになります。読者や編集者から寄せられる質問や疑問に答えようとしたり、写真の解説文を考えたりするうちに、どのように説明すればわかっていただきやすいかが見えてきたりします。

今回の担当者Aさんは、たいへんよく勉強されていて元になる原稿もまとまりが良かったので比較的楽な仕事になりました。後は、できあがった記事の写真の天地が逆になっていたりしないかをチェックするくらいでしょう。

元々文章を書いたり、表現を考えたりするのは嫌いな方ではないので、また機会があったらこのようなメディアの仕事もやらせていただきたいと思っています。

写真は下顎前歯の癒合歯の一例。説明や注意点はこちらに→https://angel-dc.com/12-1-02-02.html

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乳歯のむし歯(虫歯)

 乳歯の重症むし歯(虫歯)の治療について、最近では県外からの問い合わせをいただくことが多くなってきました。携帯サイトを開設したためもあるかもしれません。
 
 乳幼児の重症むし歯(虫歯)に対して積極的な治療をおこなう歯科医院は少ないことから、以前から県外や遠くは海外からみえる方もいらっしゃるのですが、このところ遠方から(多くは東京、埼玉、千葉、静岡など日帰り圏内ですが)の来院が増加傾向にあります。
 
 今はお子さんのむし歯(虫歯)が減っていますので、お子さんのむし歯(虫歯)で悩む保護者の方がご自分の周囲を見回しても、同じような子はあまりいません。歯科医院を受診したところで、小児歯科の専門医以外では乳幼児の重症むし歯(虫歯)を診る機会が減っていますので、じゅうぶんな対応がなされないこともあります。そうこうしているうちに、むし歯(虫歯)が進行し、化膿性の炎症を起こして顔まで腫れてしまったりするようなことも起きてしまいます。放置すれば永久歯への影響は必至です。
 
 近年、歯科医もその活動範囲を広げ、食育、摂食・嚥下、介護予防の口腔機能向上などの分野に進出しています。私も平塚市の食育推進委員会に参加させていただいたりしています。これらの仕事はとても大切なことで、将来に向け勉強していかなければなりません。
 
 しかし、毎日のように新患として来院される重症のむし歯(虫歯)のお子さんの治療をしているとやはり小児歯科医の本分は、むし歯(虫歯)の治療と予防処置であることを痛感します。 
 まだ「あかちゃん」と言っても良いような年齢からむし歯(虫歯)になってしまうお子さんもいます。治療をする方もされるお子さんもたいへんですが、治療が終わり、数年間定期診査に通っていただいて、無事に永久歯が生える日を迎えたときはうれしいものです。もっとも私は「これからが予防の本番です。今までがんばってきた乳歯の治療は、永久歯をむし歯(虫歯)から守るためでもあったのですから。」と、保護者の方と共に気を引き締めるわけですが。
 
 遠方から来られる患者さんの中には、乳歯の重症むし歯(虫歯)は手の施しようがないようなニュアンスの説明を受け、進行抑制剤を塗っただけで様子を見るように言われていた方が少なくありません。
 もちろん、選択肢はいろいろあるでしょうし、どのような医療行為を受けるかを決める権利は患者さん側にあります。しかし、小さなお子さんの重度むし歯(虫歯)でお困りの保護者の方は、ぜひ情報を集め、小児歯科の専門医を受診されることをおすすめします。

 特に、授乳や哺乳びんの長期使用が背景にある1~2歳の低年齢児のむし歯(虫歯)は、上の前歯が溶けるように急激に進行します。治療開始は早いほど良い結果につながると言えます。
  低年齢児の重症むし歯(虫歯)の生活背景については、こちらhttps://angel-dc.com/kiji.pdfをご一読ください。
 

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           1歳7ヶ月児 治療前

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           治療後

七夕祭り

 すっかり更新をさぼってしまいました。すみません。
 私の診療所は、平塚市の中心街にあります。平塚と言えば?そう、七夕祭りが有名です。

 地元の方々は、交通規制や混雑の様子をよくご存知なので、今日7月6日金曜日の予約はガラガラです。(さすがに明日土曜は、他の曜日に都合がつかない方が多いので予約が減ることはありませんが。)
 診療所の目の前の大型店舗の今年の出し物は「ティラノサウルス」です。
一日中恐竜の鳴き声と解説の放送が流れる中で診療しています。

 平塚出身の方々にとっては、子どもの頃の思い出や、青春の甘酸っぱい感情がよみがえる郷愁あるイベントなのでしょう。

 

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七夕祭りが終わると、いよいよ夏も本番です。

歯科健診をクリアするには その2

 桜もそろそろ終わりですね。数日前までお子さんたちの春休みだったので診療が忙しく、更新がすっかり遅くなってしまいました。(言い訳です。)
 
 さて、前回の続きです。
 学校や幼稚園・保育園の歯科健診をクリアできない原因には何が考えられるかについて、
 1)初期のむし歯(虫歯)による着色や、ブラックステインなどの色素沈着が「歯科医院での精査を要する」と判定された。
 2)治療をするべき大きさや深さのあるむし歯(虫歯)が存在する可能性があるので、精査を要する。
の二つの場合がある、と前回書きました。

 私も学校歯科医をしていますが、初期のむし歯(虫歯)については、Co(シーオー)という別枠の判定基準もありますから、Coでなく「C」すなわちむし歯(虫歯)と判定されたケースでは1)はあまり多くないと思います。保護者の方がお子さんのお口を見てあげて、歯に着色や黒い部分があるようなら、念のためもう一度歯科医院でよく診てもらう必要があります。治療の必要がなければすぐに「受診のすすめ」に印鑑を押してもらえるはずです。ただし、翌年の健診でも同じように判定される可能性はあります。

 2)については、さらに三つのケースが考えられます。
 ①治療するべきむし歯(虫歯)があるが受診していない場合。
 ②むし歯(虫歯)が進行している歯があるが、近い将来に抜ける乳歯であるので、積極的な治療をしていない場合。
 ③治療の成果が得られず、一見治療が終わっていてもまだ問題がある場合。

 ①のケースは、保護者もご本人もよくわかっていることと思います。恐怖心が強くて受診に不安があるなどの場合は、小児歯科を受診してみてはいかがでしょう。
以前のこの日記「小児歯科ってなに?」

https://angel-dc.at.webry.info/200701/article_2.html

https://angel-dc.at.webry.info/200701/article_3.html

https://angel-dc.at.webry.info/200701/article_4.html

「小児歯科の探し方」

https://angel-dc.at.webry.info/200702/article_1.html

を参考にしてみてください。

 ②は、歯科医師から説明を受けているなら、あまり気にする必要はありません。翌年の健診のときに抜け替わってしまっていれば、もう指摘されなくなります。ただし、抜けるのが近い乳歯であっても、ミュータンス菌の巣窟であるむし歯(虫歯)があるわけですから、他の健康な歯に影響が及ばないように、よくブラッシングをしましょう。。
 
 もし、歯科医院を受診して治療も終わっているのに、毎回のように「受診のすすめ」に「むし歯があります。」の欄に○がついてしまうのなら③です。
 もう一度お子さんのお口の中をよく見てみましょう。明るい電気スタンドの下などにお子さんを仰向けに寝かせ、できれば歯を見るための鏡(柄のついた小さなミラー。ドラッグストアでも売っています。)も使ってよく見てください。治療に用いた材料は、金属やプラスチック(コンポジットレジン)などいくつかの場合がありますが、明らかに黒くなっていたり、穴や段差が感じられる部分はありませんか?歯肉に膿がたまっている様子はありませんか?

 最近では、小児の治療に手を抜く歯科医は少なくなりました。が、信じられないような治療?がしてある例も稀にはあります。
 写真Aは遠方からみえたお子さんですが、生えかわる時期が違う第一乳臼歯と第二乳臼歯が連続して充填されてしまっています。ずっと以前に、ある小児歯科医が、最も低レベルな治療として「連続充填」と名づけたもので、もちろんこんな治療法はありませんが、まだこのような理解に苦しむ治療をおこなっている歯科医も絶滅してはいないようです。 
 ③であるなら、同じ質の歯科治療をいくら受け続けても、学校歯科医が「治療済み」と判断することはないわけです

写真A

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歯科医療の基本を守った誠意ある治療の結果は、写真Bのように、歯科の知識が少ない一般の方々から見ても形がきれいで違和感がないものなのです。そして美しい治療結果が得られているケースでは、歯科治療の回数や費用について、納得のいく説明を受けることができているはずです。

写真B

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 むし歯(虫歯)になりやすいお子さんが、学校や幼稚園・保育園の歯科健診をクリアするためには、信頼できる歯科医のもとで治療を受け、その後の定期診査を続けることが不可欠なのです。

歯科健診をクリアするには その1

 いよいよ桜の花もほころびはじめました。
 お子さんたちの入園や入学のシーズンももうすぐです。

 さて、小中学校では、4月から6月頃にかけて歯科の健診がおこなわれることが多いと思います。私が開業している神奈川県平塚市では、幼稚園・保育園でも年2回の定期的な歯科健診が実施されています。

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 ところで、この健診、お子さんや保護者の方によっては、憂鬱なものではありませんか?子どもの頃にむし歯(虫歯)が多かった私もそうでした。

 中には、健診後の「受診のすすめ」にしたがって、歯科医院で治療を受けて完了したのに、次の健診で再び「受診のすすめ」をもらってくることの繰り返しで、いいかげん嫌になってしまうという保護者の方もいらっしゃるのではないでしょうか?

 それでは、幼稚園・保育園や学校の歯科健診を、無事に「むし歯(虫歯)はありませんでした」でクリアするには?ということを考えてみましょう。

 まず、大前提として知っていただきたいことは、集団の歯科健診はあくまでも「精査を必要とするかどうかを判定するスクリーニング」であって、確定診断の場ではない、ということです。集団健診をクリアしても、精査によって病気が見つかることはあるのです。逆に、集団健診で指摘を受けても精査の結果は治療の必要なしということもあります。
 まあ、その話は置いておくとして。
 
 また、最近では歯ならびやかみ合わせについても診査の対象になっていますから、その点を指摘されることがあります。歯ならび・かみ合わせのことや、歯肉炎、抜歯が必要な乳歯がある、などのむし歯(虫歯)以外のお口の中の問題についても機会を改めることにします。
 
 今回は、園や学校の歯科健診でむし歯(虫歯)を指摘され、治療を受けたはずなのにまだクリアできない、という場合に何が考えられるかについてです。
 学校歯科医や歯科園医の見まちがい、記録係の記入ミス、健診用紙の取り違えなどの人為的なミスがないと仮定します。(実はこれらも皆無というわけではないのですが。)
 考えられるのは
 1)初期のむし歯(虫歯)による着色や、ブラックステインなどの色素沈着が「歯科医院での精査を要する」と判定された。
 2)治療をするべき大きさや深さのあるむし歯(虫歯)が存在する可能性があるので、精査を要する。
の二つの場合でしょう。
 次回に続きます。

1歳6ヶ月児健診とむし歯(虫歯)以外の診査

 前回は1歳6か月児健診とむし歯(虫歯)について書きました。
 1~2歳でもむし歯(虫歯)が進行してしまっているお子さんは少数ながら今でもいます。
 低年齢児のむし歯(虫歯)の治療については、下記のページをご覧ください。
 https://angel-dc.com/12-1-01-02.html
 
 とはいえ、前回書いたように1歳6か月健診では、大多数のお子さんにはむし歯(虫歯)がありません。
 かつて、子どものむし歯(虫歯)が多かった時代には、歯科医はむし歯(虫歯)の有無さえ診査すれば、保護者のニーズを満たすことができたのですが、今は違います。
 では歯科医はむし歯(虫歯)の診査以外に何をするのでしょうか?

 現代のママやパパなど保護者の方々の関心事、心配事は極めて多岐にわたります。
 歯科の分野では、歯の生えるのが遅いとか、生える順序が気になる、歯の色や形、歯の角度や歯ならび、歯ぎしり、食べ方や離乳食のこと、指しゃぶりやおしゃぶりについて等々。多くは心配いらない小さな悩みですが、既にインターネットや育児誌で予備知識をお持ちの方も多いので、きちんと根拠のある説明をしてさしあげなければなりません。
 
 私たち歯科医は、お子さんたちの歯やお口が機能的な面も含めて順調に成育しているかを診ています。今や育児アドバイザーの役割も担っているのです。 ただし、多くの地域では1歳6か月児健診は集団健診方式ですので、時間も限られていますし、必ずしも受診されるお子さんや保護者の方の個別的なニーズを全て満たせるとは限りません。より細かいことや詳しいことについては、健診後のフォロー体制の中で補足をしたり、個別に医療機関を受診して相談していただく必要のあるケースもあります。

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 ところで、1歳6か月児健診に携わるのは小児科医や歯科医だけではありません。それぞれの地域の健診体制にもよりますが、歯科衛生士、保健師、管理栄養士など様々な専門職が相談に応じてくれる場でもあるのです。健診当日だけでなく、健診後の相談機会やフォロー体制が整っている自治体も多いと思います。
 いろいろな理由で、どうしても集団での健診に行きたくないという方や、受診はしたが心配事が解決されずに不安が残ってしまった方は、市町村の「健康課」や「子育て介護課」などの名前の部門には必ず子育てに関する相談窓口がありますから、まずはそちらに電話などでコンタクトを取ってみると良いでしょう。ここにはいろいろな資格を持った専門職も勤務していますし、地域の保健医療に関する情報が集まっています。より専門的な対応が必要となれば、地域でそのテーマに最も詳しい医師、歯科医師等を紹介してくれたりもします。
 もちろん人間と人間ですからスムースに行かないこともあるかもしれませんが、全体として見れば、我が国の子育て支援体制というのはなかなか充実しているのです。

1歳6ヶ月児健診とむし歯(虫歯)

 寒い中にもクロッカスが芽吹き始め、春はもうすぐそこまで来ていますね。新たな生命が息づく季節が近づいています。
 さて、新しい命と言えば、赤ちゃんが生まれてから最初に歯科医と出会うのはいつでしょうか?日本の多くの地域では1歳6ヶ月児健診(「1歳6か月児健診」という表記が正式のようです。)の歯科の診査ではないかと思います。

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 この健診は集団方式で、流れ作業的におこなわれることが多いと思いますが、それでも全国平均でおよそ3%のお子さんにむし歯(虫歯)が見つかります。
 歯科について言えば、集団健診ではその精度に限界もありますから、むし歯(虫歯)をはじめとする個々の問題の正確な診断が期待できるわけではありません。

 生後1歳6ヶ月前後でむし歯(虫歯)になってしまうのは、多くの場合、夜の不規則な授乳や哺乳びんの使用が背景にあることがほとんどです。1歳6か月児健診でむし歯(虫歯)が見つかったり、その疑いがある場合や、保護者の方の目から見ても心配な状況があるという方は下記のページもご覧になった上で、小児歯科医を受診することをお勧めします。

https://angel-dc.com/12-1-01.html

https://angel-dc.at.webry.info/200702/article_1.html

 
 むし歯(虫歯)予防という点から見れば、最初の歯科健診が1歳6ヶ月では遅いのは、もうおわかりと思います。もう少し早い満1歳前後に受けておきたいところです。日本やアメリカの小児歯科学会でも最初の誕生日の頃に小児歯科医を訪問することを推奨しています。
 むし歯(虫歯)は少なくなったとは言え、重度のむし歯(虫歯)のお子さんの減少は鈍く、きれいな歯のお子さんとむし歯(虫歯)に悩むお子さんが二極化しているという指摘があります。
 ご家族の方にむし歯(虫歯)が多い場合や、歯やお口の心配ごとがあるときも、1歳6か月児健診を待たずに積極的に小児歯科医を受診すると良いと思います。

 小児科でも歯科でも、1歳6か月児健診の場ではX線診査や血液検査ができるわけではありません。前述しましたが、正確な診断を受ける機会と考えるべきではなく、精査が必要かどうかを判断してもらうのがこの健診の目的なのです。
 
 一方、1歳6か月児健診は、歯やお口のことを含めて、いろいろな子育て相談の場でもあります。専門家からのアドバイスを無料で受けられると思えば、受診して損はないのです。そのあたりは次回に書きましょう。

ストローが歯にはまる!?

 先日、園医をしている保育園に歯科健診に行ったときのこと。園児さんの中の4歳の女の子の下の前歯に、透明なストローのようなものがすっぽりとはまりこんでしまっているのを見つけました。
 その場では除去できなかったので、後日に来院してもらいました。X線写真を撮ると、かなり長い期間にわたって歯に異物がはまりこんでしまっていたために、ちょうど大人の進行した歯周病のように歯を支える骨が失われている状態でした。

 実は、こうしたケースはそれほど珍しいわけではありません。私にとっても7例目くらいになります。
 小さいお子さんは日常生活の中で様々な物を口に入れて遊んだりします。たまたま筒状の物で、上あるいは下の前歯の直径にぴったり合う大きさのであると、それが歯にはまりこんでしまうことがあるのです。これらの異物は、元々短い円筒状の物のこともありますが、ストローなどでは、余分な?長い部分がかみちぎられてしまうことも多く、透明な物の場合にはご家族が気づかずに何年も経ってしまうことがあります。その結果、深刻な外傷の状態となり、歯周組織が破壊され、最悪の場合は歯を失うことにもなります。
 
 こんなことがおそらく日本だけでなく世界中で頻発しているはずなのですが、ほとんど知られていないようです。私も10年以上前に最初の例に遭遇した時は「特殊な偶然的なできごと」と考えていました。しかし、その後小児歯科学会で報告例があり、さらには東京の佐々木洋先生(杉並区のUTAKA DENTAL OFFICE 佐々木歯科)が中心となって実態調査を開始し、こうした事故の防止を呼びかける活動を展開しています。その調査によれば異物の種類は様々で、ストロー、音の出るクラッカーの部品の一部などがあるそうです。私が経験したケースでは、パイプ枕の中のパイプやアイロンビーズと呼ばれる装飾工作に使う物などがありました。
 
 お子さんの前歯の外見がおかしいと感じたり、生えかわり期でないのにグラグラしているなどの症状があるときは、このような異物のはまりこみによる外傷も考えられます。
 なんだか信じられないような話ですが、深刻な事態になってしまうこともありますので、保護者の皆さんや幼稚園、保育園スタッフの方々はぜひ知っておいてください。

  歯から除去した異物。こんな白い不透明なストローの場合もあります。

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  よく見ると透明なストロー?が歯の根元に。数年間放置され、歯はグラグラでした。

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  すぐ上のケースで除去した透明なストロー様の物。

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