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赤ちゃんの歯みがき剤(歯みがき粉)
について

Q.赤ちゃんや6歳未満の乳幼児に使用する歯みがき剤(歯みがき粉)にはどんなものがありますか?

日本口腔衛生学会がまとめた考え方に沿ってご説明します。

以前は歯ブラシにチューブから少量の歯みがき剤を出してブラッシングする、 ブクブクうがいのできないお子さん(おおむね4歳未満)には歯みがき剤は使わないなどのアドバイスが一般的にされていました。

しかし、研究が進み状況は大きく変わりました。赤ちゃんや低年齢児へもフッ化物配合の歯みがき剤を使用することが虫歯(むし歯)予防に有効との考え方が近年のスタンダードとなりました。

日本口腔衛生学会では6歳未満児に使用する歯みがき剤についてフッ化物イオン濃度500ppmのものを推奨していて、年齢に応じた使用量の目安も示しています。

1000ppm以下の製品にはフッ化物イオン濃度の表示義務がないことから、「多くの保護者がフッ化物濃度を知らないまま歯みがき剤を選んでいる」 「年齢に即した濃度を正しく選択している保護者がわずかである」との調査結果があります。
そこで当院では具体的な製品の例を調査し、下表を作成しました。

(転載される場合は当院の調査であることを明記お願いいたします。)

6際未満児に推奨される歯みがき剤製品例
2021年9月 エンゼル歯科 佐々木明彦

(ガム・デンタルペーストこどもとCheck-Up foamを除きフッ化物濃度は約500ppm)

ペーストタイプ

Check-Up kodomo500 ライオン歯科材(株)   歯科専用    
ライオンこどもハミガキ ライオン(株)
バトラーデンタルケアペーストこども サンスター(株) 歯科専用
バトラーエフペーストこども サンスター(株)
Do クリアこどもハミガキ
(イチゴ・グレープのみ)
サンスター(株)
ガム・デンタルペーストこども サンスター(株) MFP 1000ppm   

ジェルタイプ

Check-Up gel バナナ ライオン歯科材(株) 歯科専用    
クリニカKid`sジェルハミガキ ライオン(株)
メルサージュクリアジェルキッズ (株)松風 歯科専用
ジェル状歯みがきぷちキッズ ピジョン(株)
ビーンスタークハキラはみがきジェル 雪印ビーンスターク(株)
teteo歯みがきサポート新習慣ジェル コンビ(株)
薬用ハミガキジェル
トロピカル~ルージュ!プリキュア
(株)バンダイ

フォームタイプ

Check-Up gel foam         ライオン歯科材(株)   歯科専用 1000ppm

6歳未満児に推奨される歯磨き剤製品例

上記のペーストタイプ、ジェルタイプ、フォームタイプにはそれぞれ特徴があり、お子さんの年齢や虫歯(むし歯)リスクに応じた使い分けも推奨されています。

また、6歳未満児ではフッ化物イオン濃度は原則500ppmですが、ガム・デンタルペーストこどもはMFPというフッ化物が使用されていて消化管からの吸収がゆっくりであることから、 Check-Up foamは泡状で大部分が空気であることから1000ppmでも使用可能となっています。

赤ちゃん用品売り場やドラッグストアでは500ppmよりもかなり低い濃度の製品も販売されていますが、 虫歯(むし歯)予防の意味ではほとんど効果がないとされています。


当院ブログ「院長にっき」の
6歳未満向け歯みがき剤のフッ化物濃度」もご参考ください。

Q.赤ちゃんや乳幼児への歯みがき剤(歯みがき粉)の使用量や使用法についての情報はありますか?

日本口腔衛生学会の考え方によれば年齢別の歯みがき剤のフッ化物イオン濃度と使用量は次の表にまとめられています。

フッ化物配合歯磨剤の年齢別応用量とフッ化物イオン濃度

フッ化物配合歯磨剤に関する日本口腔衛生学会の考え方
」より引用

年齢 使用料 歯磨剤のF濃度 洗口その他の注意事項
6か月(歯の萌出)~2歳 切った爪程度の少量 500ppm
(泡状歯磨剤であれば1,000ppm)
仕上げみがき時に保護者が行う
3歳~5歳 5mm 程度 500ppm
(泡状またはMFP歯磨剤であれば1,000ppm)
就寝前が効果的
歯みがき後5~10mlの水で1回のみ洗口
6歳~14歳 1cm 程度 1,000ppm 就寝前が効果的
歯みがき後10~15mlの水で1回のみ洗口
15歳以上 2cm程度 1,000ppm~1,500ppm 就寝前が効果的
歯みがき後10~15mlの水で1回のみ洗口

低年齢でも既に虫歯(むし歯)の経験や兆候があるなどリスクが高いお子さんには就寝前にジェルタイプ(500ppm) かフォームタイプ(泡状)を歯ブラシにつけて歯面に塗るようにブラッシングし、終わったらティッシュペーパーなどで少し拭き取る方法が良いでしょう。

ペーストタイプでも500ppmを(海外ではさらに高濃度のものでも)少量であれば1歳未満児にも使用するべきという感覚は、 私たち歯科関係者にとっても当初は衝撃的でとまどうものでしたが、今や時代は変わりました。

ブクブクうがいができるようになるおおむね4歳以上であれば、保護者の仕上げみがきとは別の機会に年齢に応じたフッ化物濃度と使用量のペーストタイプを使って本人にブラッシングさせることで、 正確に歯面に当たっていなくても虫歯(むし歯)予防効果があるとされます。

ただし、低年齢児は食事用のテーブル付きの椅子に座らせて目を離さないように、年長児でも絶対に歯ブラシをくわえて立ち歩かない状況のもとで、 歯ブラシ事故にはじゅうぶんに注意をお願いします。

Q.歯みがき剤(歯みがき粉)の役割は以前と今では変化があるでしょうか?

大きく変わりました。

従来は「歯みがきの補助剤」という位置づけであった歯みがき剤は「積極的な予防剤」になりました。

歯ブラシの役割はフッ化物配合歯みがき剤を口の中に運び入れることであるとさえ言われています。 (虫歯(むし歯)の原因になる歯垢の除去や歯肉炎などの歯周疾患の予防と治療を考えれば機械的なブラッシングを軽んじるべきではないですが。)

赤ちゃんや乳幼児のことからは逸れますが、2018年から日本でも1450ppmのフッ化物イオン濃度の歯みがき剤が認可、発売されるようになり15歳以上の方への使用が推奨されるようになりました。

0歳から成人、高齢者まで年齢に応じたフッ化物イオン濃度と使用量によるフッ化物配合歯みがき剤を使用した虫歯(むし歯)予防の体制が、諸外国に遅れながらも整ったと言えます。

虫歯(むし歯)予防効果を期待するなら必ず年齢に即した濃度のフッ化物が配合されている歯みがき剤を選択しましょう。

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