小児歯科症例

小児歯科専門医として最近手がけた低年齢児重度う蝕(むし歯;虫歯)の治療前後の写真です。

治療前 上顎全体
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治療後
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治療前 上顎前歯部
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治療後
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初診時年齢1歳7か月。
通院回数10回。
上顎BAAB(上の前歯4本)は感染根管治療(膿んでしまった歯の根の部分の治療)後、ピド・フォームクラウン(CRジャケット冠)にて歯冠修復。
上顎DCCDと下顎DD(上の乳犬歯と上下の奥歯)はCR修復。
当院では、お子さんの負担や体力面から、軽度、中等度のう蝕(むし歯;虫歯)の場合は通常2歳半頃から治療を開始します。
しかし、このケースは上顎BAABのう蝕(むし歯;虫歯)が進行し、既に急性ないしは慢性化膿性歯周炎(歯の中が膿んでしまった状態;歯科の通称でいわゆるPer)となっていたために、やむをえず1歳7か月で治療開始となりました。
治療する私たちもたいへんでしたが、幼い患者さんもよくがんばってくださいました。

重版出来と歯科医療の共通点

このブログにはあまり趣味的なことは書かないようにしているのですが、先日「重版出来(じゅうはんしゅったい)」というドラマの1話と2話を見て思ったことがあります。
そのドラマは、良い漫画作品を世に出そう、たくさん売って多くの人に感動してもらおうと奮闘する出版社編集者が主人公。
いくら作品がすぐれていても、漫画家本人や編集者だけでなく営業や宣伝、製版や印刷、デザイナー、書店員など多くの人が努力をしなければ本は売れないということがよくわかりました。
そして、良い作品が売れてさらに多く印刷する「重版」が決まった時、かかわった人たちが喜びを分かち合うことになります。

小児歯科には何の関係もない話に思えますが、以前にお会いした、乳歯の重度虫歯(むし歯)等の治療に用いる「ピド・フォームクラウン」の販売会社の方のことをドラマを見て思い出しました。
良い製品を輸入販売して多くの歯科医師に正しく使ってもらう立場の販売会社の方々は、仕事を通じて歯科医療に深くかかわりながら多くの患者さんを救っていることに誇りを持っていることが、話をしていて感じられました。

写真は突然の外傷で上の前歯が折れてしまった2歳の患者さん。

外傷即根充左上A-0000

破折は歯根にまで達していてすぐに抜髄、根管充填をして(この写真と次の写真は治療する側から見ています。専門用語で申し訳ありません。なんとなく意味を想像してください。)

外傷即根充左上A00

ピド・フォームクラウン(写真中央の透明な物)を使って破折した部分をまとめるように歯の形を作り

外傷即根充左上A0

おおむね元の状態に近い感じで修復することができました。

外傷即根充左上A02

この処置を直接おこなったのは私とスタッフで、がんばったのは患者さんの2歳児ですが、局所麻酔薬、ラバーダム関係器具、根管治療関連薬剤、ピド・フォームクラウンやコンポジットレジン等々、何十ものメーカーや販売会社の製品があって初めて成立する治療です。
どれ一つ欠けてもできないのです。

漫画家は何億もの人々に夢や感動をもたらすことが可能な職業ですが、読者に届く過程には多数の職種の人々の情熱や努力があることが「重版出来」では描かれています。
歯科医師が一生を通じて診療できる人の数はせいぜい万単位ながら、まずは歯科材料や器具を的確に使用して性能を最大限に引き出す診療法を私たちに教育してくださった方々(私の場合は基礎的なことは母校、診療は恩師M先生)の存在があります。
そして、1本の歯の治療によって落胆が笑顔に変わるまでの間に、「重版出来」の世界と同様にたいへん多くの研究者、開発メーカー、販売会社、歯科材料店等がかかわっているのだなあ、とドラマを見て改めて思ったのでした。

小児歯科と先天性心疾患

先月、私が所属している平塚歯科医師会で、地域の基幹病院の小児科部長にお願いして講演をしていただきました。
いつも患者さんを通じてたいへんお世話になっているその小児科ドクターには、ぜひお話をうかがいたいと長年思っていましたが、昨年、私が母子保健等を担当する歯科医師会の理事に復帰して今回の母子保健講演会の内容を決める立場となり、やっと実現しました。
歯科医師会員だけでなく平塚市医師会の医師や行政の母子保健関係職種の方に多数出席いただき、共に勉強する良い機会となりました。

講演会のテーマの中でも先天性心疾患のお子さんの歯科治療における感染予防については、小児歯科医療を行う上で大切なことだと思っています。
先天性心疾患の手術後や経過観察中のお子さんに歯科治療をする場合は、私は必ず主治医の小児科医と連絡をして、必要に応じ治療前に抗生剤を服用していただくようにしています。
歯科治療を原因とする感染性心内膜炎の発症という事態を防ぐためで、小児循環器学会のガイドラインに沿った一定の方法と薬の量があります。
小児歯科の世界では数十年前から実施されていることですが、講演を聞いて認識を新たにした部分も多々ありました。

心臓手帳の写真

心臓外科や循環器科における医療の進歩もあって、先天性心疾患の方々も成人してさらに高齢化していくようになり、小児科から内科へと引き継がれる際の対応や歯科治療時の留意点も時代と共に新たな局面を迎えているようです。
今回のような講演会を契機として今まで以上に小児科や各領域の医師、歯科医師、専門職との連携を深めたいと思います。
また、今回はご案内できなかった歯科医師会に所属しない歯科医師を含めた地域の歯科医師とも情報を共有する機会を、今後は積極的に作っていきたいと考えています。

小児歯科からドクターズファイル

小児歯科専門医としてドクターズファイルというメディアに掲載していただきました。
現在の小児歯科をめぐっての課題のような話をしてしまいました。
ご批判をいただくかもしれませんが、歯科医師会未入会の地域の歯科医師と連携していきたいと本気で思っているのはたしかです。

下の写真をクリックしてご一読いただければ幸いです。(かなり気恥ずかしい・・・)

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虫歯(むし歯)の集中豪雨(虫歯の洪水の現代版)

今年は台風、突風、大雨などの自然災害による被害が多いようです。
この数日間も各地で水害がありました。
被災された方々に心よりお見舞い申し上げます。

歯科の領域では1970年前後(昭和40年代から50年代頃)に、子どもの虫歯(むし歯)が日本中に蔓延し「虫歯(むし歯)の洪水」と呼ばれた時代がありました。
その後、歯科医療や保健、教育、保育分野をはじめとする多くの関係職種の方々の取り組みにより、子どもたちの虫歯(むし歯)は減少しました。
しかし、様々な生活背景の中で、今でも一部の子どもたちには低年齢で重症の虫歯(むし歯)が発症し、E.C.C.(Early Childhood Caries)と呼ばれていて小児歯科学会でも対策の必要性が指摘されています。
虫歯(むし歯)減少の時代から取り残されてしまった子どもたちも決して少なくはないのです。
むし歯減少の時代から取り残された子どもたち

そして近年は、重症虫歯(むし歯)の子どもたちが、それに対して的確な治療がおこなえる数少ない歯科医療機関・歯科医師のもとに一極集中する「虫歯(むし歯)の集中豪雨」と呼びたくなるような現象が起きています。
なぜ、虫歯(むし歯)の集中豪雨が起きるのでしょうか?

その理由についてはいろいろな観点から考える必要がありそうです。
まず最初の視点は

「小児歯科」と書いてある歯科医院でも子どもの虫歯(むし歯)治療への対応力は様々
ということと関連があります。

「小児歯科」と標榜(ひょうぼう=看板に掲げること)するのは歯科医師であれば自由なので、日本の歯科医院の半数以上に「小児歯科」と書いてあり、その数は年々増加しています。が、小児歯科を標榜する歯科医院のおよそ9割は日本小児歯科学会の会員ではありません。
日本小児歯科学会でもこのことを現状と課題と認識し対策に取り組んでいます。
「小児歯科」と書いてある歯科医院の歯科医師の多くが小児歯科学会からの情報を受け取っていないし、その全てが必ずしも低年齢児の歯科治療、わけても重症のE.C.C.(低年齢で発症するの重症虫歯(むし歯))の治療経験が豊富なわけではないのです。
一方で「虫歯(むし歯)の洪水」の頃から長年小児の治療に取り組んできた歯科医師の中にはそろそろ第一線から退こうという方々もいらして、対応できる歯科医療機関の数はむしろ減っていくことが危惧されます。
こうした流れから小児歯科専門の開業歯科医や大学病院歯学部の小児歯科は、毎日のように来院する重症虫歯(むし歯)のお子さんの治療に追われているのが実情です。

日本小児歯科学会で認定を受けている小児歯科専門医は厚生労働省からその旨を表示・広告することを許されてはいますが、その人数は多くありません。上記したように「小児歯科」と掲げるのは自由なので、保護者の方々からみれば専門医と区別はつきません。近所の歯科医院のほとんどに「小児歯科」と書いてあるわけです。虫歯(むし歯)が深刻でない多くのお子さんはそうした歯科医院で治療やケアを受けることでも問題なく経過する場合もあるでしょう。
しかし、1~2歳の低年齢で重症の虫歯(むし歯)になってしまったお子さんや、年齢、個性、今までの経験、発達障がいなどいろいろな理由で歯科治療にスムースに協力できない重症虫歯(むし歯)のお子さんの保護者の方々が、家の近くの「小児歯科」と書いてある歯科医院を受診しても問題が解決しないことがあります。
状況が逼迫していても治療を受けられず「歯みがき」「食生活」「フッ素による予防」などの話だけで終わってしまう例もあるようです。
本来であれば緊急性のあるケースでは歯科医療機関の間での紹介や依頼があるべきなのですが、いくつかの理由で近年はそれもなされないことが多く、保護者が自ら治療を受けられそうな歯科医療機関をインターネット等で探すことになります。
小児の重症虫歯(むし歯)のへの対応力のある歯科医療機関が相対的に減っていることや「小児歯科」標榜と専門性の不一致という混乱が増す中で、先に受診した歯科医院からの紹介や依頼があった場合も含め、結果として重症虫歯(むし歯)のお子さんが特定の歯科医療機関に集中します。
紹介や依頼があれば治療開始のタイミングを逸することも少ないのですが、保護者ご自身が探された場合には時間の経過とともに重症度が増してしまっていることもあります。

もちろん、低年齢での歯科治療は安全面からも避けたいのは私たち小児歯科専門医も同じですが、虫歯(むし歯)が重症であれば1~2歳児でも応急的ではあっても歯を削って膿を出すなどが必要なケースがあり、放置すれば炎症が進展して入院加療となることもあります。

心配な状況の方は、多少遠方でも小児歯科専門医のいる歯科医療機関(日本小児歯科学会JSPP全国小児歯科開業医会のサイトで検索可能です)を受診することをお勧めします。
その受診先では上記したように虫歯(むし歯)の集中豪雨が起きているわけですが、小児歯科の専門性の高い歯科医師が必ずいますので紹介や依頼を得られない場合でも保護者の方々の決断による早めの方向転換が状況を打開します。

下の写真は1歳5か月で虫歯(むし歯)治療に踏み切らざるを得なかったケースの治療前と治療後です。

1歳5か月治療前

1歳5か月治療後

「虫歯(むし歯)の集中豪雨」がなぜ起きているのか、さらに別の角度からも理由が推測されますので、後日に追記したいと思います。

小児歯科専門医として

私は平塚歯科医師会の中の公衆衛生委員会という組織に所属しています。
昨年、この委員会で乳幼児健診(1歳6か月児健診や3歳児健診など)に使用するマニュアル的な資料を作成することになり、小児歯科専門医であることから主に私が執筆し、歯科医師や歯科衛生士を対象とした「母子保健セミナー」を開催した際の説明役も担当しました。

その時に使用したスライドの中の1枚です。

左上が治療前、右下が治療後の写真です。
右上は別のケースの写真ですが左上のような状態の虫歯(むし歯)を「感染根管治療」という方法で治療してから左下のピド・フォームクラウンを使って右下のように歯の形を再現します。

ピド根治

ピド・フォームクラウンを用いた重度虫歯(むし歯)の治療法についてはこのブログでも再三ご紹介していますが、歯科医師や歯科衛生士であってもこのような治療法の存在自体を具体的にはご存じない方も少なくないのが実情です。
そこで、本来は健診の内容説明のセミナーでしたが、あえて治療についても少し織り交ぜてお話をし、今後の医療連携に役立てようと考えたのです。

動画もご参考いただければ幸いです。

歯科衛生士募集中です

当院では歯科衛生士を募集しております。
卒業予定の方、卒後まもない方、臨床経験が浅い方、ブランクのある方など、いずれも大歓迎です。
勤務条件を記しますので、ぜひご検討の上、電話、メール等でお問い合わせください。
見学も随時受け付けております。

勤務地 JR東海道線平塚駅より徒歩2分
基本給 183.600円(新卒の場合。既卒の方は臨床経験年数に応じます。)
資格手当 35.000円
皆勤手当 2.000円

勤務時間 9:30~18:30 残業はほとんどありません。
診療時間10:00~12:30(午前最終予約12:00)14:20~18:00
(午後最終予約17:40)
休日  日曜、木曜、祝祭日、ゴールデンウイーク(2017年は9連休)、夏季(8連休)年末年始(8連休)
保険  雇用・労災
昇給  年1回
賞与  年2回
交通費 全額支給
お問い合わせ 電話0463-21-5073  
       Mail sasaki@angel-dc.com

小児歯科の歯科衛生士

歯科衛生士を募集しております。

今や歯科医院の数はコンビニエンスストアよりも増え、多くの歯科医院では過当競争を勝ち抜くため、流行中の診療内容の導入や、自由診療への誘導などに歯科衛生士さんも巻き込まれてしまいがちです。医療職であるはずが営業職のようになっているケースもあるようです。

しかし、当院の場合は、低年齢児の歯科診療に特化していることから、重度の虫歯(むし歯)でお困りの乳幼児と保護者の方々が、平塚市近郊のみならず他の都府県や海外から来院されることもあり、営業的な業務はありません。
読売新聞「病院の実力」欄小児歯科部門トップ掲載など、社会的評価も高いと自負しています。
治療とその後のケア、シーラント等の予防処置や保護者へのTBIなど、歯科衛生士の活躍の場は広く、「自分の持つ知識や技術で困っている人を助ける」という医療本来の姿を体現しています。

一般歯科の診療内容とは異なる面も多いので、ご経験のある方はかえって戸惑われるかと思いますが、ゼロからサポートしますのでご心配は不要です。
卒業予定の方、卒後まもない方、臨床経験が浅い方、ブランクのある方など、いずれも大歓迎です。
勤務条件を記しますので、ぜひご検討の上、電話、メール等でお問い合わせください。
見学も随時受け付けております。

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小児歯科専門医

早いもので「今年もよろしくお願いします」と書こうと思っていたら、もう2月も半ばになってしまいました。

11日の祝日に、名古屋で「全国小児歯科開業医会(JSPP)」のフォーラムがあり、出席してきました。
日本各地の小児歯科を専門とする開業医が100名以上集まっての勉強会は、すばらしい内容でとても参考になりました。
近々平塚歯科医師会のセミナーで説明役をすることになっているのですが、それにも早速反映させたいと思います。

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小児歯科を専門とする歯科医師は全国レベルでみればたくさんいるのですが、地域ごとに考えると多くはありません。
日本の歯科医院のおよそ半数が「小児歯科」を標榜(看板に掲げること)していますが、専門性の高い歯科医師はごくごく一部です。
そのため、専門医にはその専門性を求めて広い地域から患者さんが来院されます。

当院にも先月は神奈川県内だけで19の市や町から、他都県を合わせると20地域以上からの来院がありました。
名古屋のフォーラムには全国の高名な小児歯科医が何人も参加されていましたが、私も信頼するスタッフと共に、規模は小さくともしっかりした専門性を維持していきたいと思います。

小児歯科 シーラント、フッ素より先に的確な診断

小児歯科においてフッ素(フッ化物)やシーラントは予防処置として重要な位置づけであるのは申し上げるまでもありません。
しかし、それらは虫歯(むし歯)になっていない歯、あるいは初期虫歯(むし歯)に対して有効なのであって、既に虫歯(むし歯)が進行していれば残念ながら削っての治療となります。

しばらく他の歯科医院に行っていて、当院に戻ってきてくださった4歳の患者さん。
歯が痛いとのことで来院されました。
奥歯にボテッとしたシーラントがしてありました。(黒い矢印)
比較的最近に受けた処置とのことでした。

FSとカリエス1

シーラントについてはこのブログの前回の記事をご参照ください。

ラバーダム(治療する歯を隔離して唾液中の細菌の侵入を防ぐ膜状の器材)をしないでシーラントをしたのは明らかで、このようなアバウトな処置がシーラントという処置法の信頼性を揺るがせる(奥歯の溝に過不足なく流し込まないために段差ができ、かえって虫歯(むし歯)を誘発する)原因かもしれません。
正しい方法でおこなえば確実に奥歯の溝を虫歯(むし歯)から守ることができるのですが、シーラントのデメリットを論じる方々は、このような望ましくない結果を恐れたり経験されたりしているのでしょう。
しかし、このお子さんに関してそれよりもっと問題なのは、シーラントをした歯と隣の歯には、歯の間や歯ぐきの近くに虫歯(むし歯)があるのに、それを無視してシーラントがしてあることでした。
上の写真の赤い矢印が虫歯(むし歯)の部分です。

X線で見ると、歯の間に初発した虫歯(むし歯)は既に歯髄近くまで達しています。
赤い矢印の上方の黒っぽい部分が虫歯(むし歯)で、矢印の右側の歯の外形と似た形の黒い部分が歯髄です。

FSカリエス」XP2

乳歯の虫歯(むし歯)は相当深くまで進まないと痛みが出ないのが特徴で、このように進行してから初めて痛みを訴えることが多いのです。
局所麻酔、ラバーダムをして削ってみるとやはり深く広がった虫歯(むし歯)があらわれました。

FSとカリエス2

下は治療終了近くの写真です。
ギリギリの線でなんとか歯髄への処置は回避でき、CR(コンポジットレジン)充填で済みました。

FSとカリエス3

他院の批判は慎むべきでしょうが、今回は書いてしまいます。
なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

You Tubeで「小児歯科」と検索すると、私がAngel Dental Clinicとしてアップロードした「小児歯科 低年齢児の虫歯治療の実際」「乳幼児の重度虫歯 治療の実際」という動画の他に、「小児歯科の増患・集患」というような歯科医院向け経営コンサルタントさんの動画が出てきます。
それによれば、小児歯科診療は成人の患者さんを呼び込むためのマーケティングのツールということのようです。
特に最近開業された歯科医院の経営戦略の上で、お子さんはそのご家族に自院に来てもらうためのきっかけ作りに使われているような印象です。
実際には虫歯(むし歯)があっても治療らしい治療もしないで、上記のような緻密とは言えないやり方のシーラントや簡便な方法でフッ素(フッ化物)塗布をする程度。
痛くもなく泣くこともなく、ご褒美のおもちゃやシールをもらって帰るとなれば、お子さんたちにとっては楽しくテーマパークに行ったか、せいぜい歯医者の体験教室に行ったような感じでしょう。
詳しい診査や記録の保存、X線撮影もしないなら、歯と歯の間の虫歯(むし歯)も発見できません。
幼稚園や保育園で知り合った保護者の方々の口コミやLINEその他ネットのSNS等で「子どもにやさしく、夜も遅くまでやっていて駐車場も完備」な歯科医院が人気になっていくのは必然です。
でも、逆に言えば駐車場もない当院に、遠方や海外からなぜ多くの患者さんが来てくださるのでしょうか。

上記のお子さんの場合、定期的に通院していた歯科医院のプレイスぺースで楽しく遊んだりしている1~2年の間に、奥歯の間の見えにくい部分で虫歯(むし歯)が進んでしまったようです。

こうした見えにくい虫歯(むし歯)は、幼稚園・保育園での集団健診でも見つかりにくいため、かなり進行してしまってから来られるケースも多いのですが、私の立場からすると結局は「もう少し早くお会いできれば」と感じることが少なくありません。

歯科医院経営が苦しい時代ですので、ひとりでも多くの患者さんを獲得するための手法があるのは理解できますが、確実な診断と的確な処置・治療こそが医療であると思います。