2007年01月12日
小児歯科ってなに? その2
先日、歯科医師会の理事会旅行で四国へ行ってきました。高知県の桂浜というところで、土佐闘犬を見ました。動物愛護の点から等いろいろなご意見もあるかと思いますが、エキシビジョン的な土俵とは言いながらも犬たちの闘いぶりは気迫にあふれ、それを支える関係者の努力が感じられました。今の時代に、一種の伝統文化である闘犬を守り、受け継いでいくというのはたいへんなことだろうな、と思います。
さて、話は変わりますが、子どものむし歯(虫歯)は近年減少傾向にあります。が、多くのお子さんたちがきれいな歯をしている中にあって、今でも重度のむし歯(虫歯)に悩まされているお子さんもいます。全体には減っているのですが、重度のケースはあまり減っていないので、二極化傾向が指摘されています。
最近、特に都市部では、小児の重症むし歯(虫歯)の治療経験がほとんどない歯科医師も増えてきていますが、これは困った事態です。
私たち小児歯科医は、数としては以前ほどではないにせよ依然として存在する重度むし歯(虫歯)のお子さんたち、特に低年齢児に、的確な治療とその後の手厚いフォローをおこなうプロフェッショナルであると自負しています。もちろん、むし歯(虫歯)以外の小児、乳幼児の病気や、成長発育に関することについても、最も信頼される相談先であるように、日々努力をしています。
むし歯(虫歯)が減ってきたこともあって、小児歯科を志望する歯科医師も漸減と聞いていますが、お子さんの重度むし歯(虫歯)を治療できる歯科医師は、これからの時代でも必ず必要なのだと思います。
土佐の闘犬を守る方々と同じように、完成、成熟した小児歯科医療の理念とテクニックについても、その火を消さないように次の世代に伝えることも私たちの使命かもしれません。
闘犬の横綱土俵入り