2023年01月26日
フッ化物配合歯みがき剤の新推奨
2023年1月1日付けで日本口腔衛生学会、日本小児歯科学会、日本歯科保存学会、日本老年歯科医学会の4学会合同で「フッ化物配合歯磨剤の推奨される利用方法」が発信されました。
歯みがき剤に配合されるフッ化物濃度について6歳未満児には原則500ppmが適切としていた2018年の日本口腔衛生学会の発信から大きく踏み出した内容で、6歳未満児は950ppm、6歳以上は1450ppmを推奨するというものです。(原文では1000ppm、1500ppmとの表記ですが本稿では市販品の実態に合わせて950ppm、1450ppmとしています。)
使用量についても6~14歳と15歳以上の間の線引きがなくなり、6歳以上の小児、成人、高齢者は一律に1.5cm~2cm程度(歯ブラシ全体)となりました。
https://www.gerodontology.jp/publishing/file/guideline/guideline_20230101.pdf
この結果、6~14歳についてはフッ化物濃度、使用量ともにアップとなり、急に大人の仲間入りという状況です。
さらに就寝前を含む1日2回の歯みがきを、フッ化物配合歯みがき剤を用いておこなうことも推奨となりました。
今までの日本独自の考え方は諸外国と比べてフッ化物濃度が低かったので、これで世界標準に追いついた形になりました。しかし、日本では今まで成人用とされていた1450ppmの歯みがき剤が認可、発売されたのが2017年と最近のことですし、小児向けの1,450ppmの製品はまだ存在しません。
お子さんが6歳未満の場合には950ppmが望ましいとなりましたが、お手元の500ppmの製品を無駄にせずに使い切ってから徐々に950ppmに移行するので良いと思います。
6歳以上であれば、大人向けフレーバーに抵抗がないお子さんは確実な保管を保護者がおこなえば1450ppmを使用することでより高い虫歯(むし歯)予防効果が期待できます。
小学生などは1450ppmの小児向けフレーバーが発売されるまでは当面950ppmの使用でも良いでしょう。
下の写真は今後主流となる950ppm(6歳未満)と1450ppmの製品の一例です。