2022年03月12日
平塚市の歯科衛生士・保健師さんとの勉強会
先日、日ごろからお子さんたちの歯科保健において深く連携していただいている平塚市の健康課のご依頼で、市のスタッフ研修会にお招きいただきました。出席者は健康課所属の歯科衛生士さんと保健師さん。
事前に平塚歯科医師会の理事会で小児歯科専門医としての私の研修会派遣について承認をいただいています。
医療機関同士の連携はもちろんですが、1歳6か月児健診等の幼児健診を担う(それ以外にも新生児から高齢者まで市民の方々の健康維持に携わっておられます)市のスタッフとの連携もとても大切だと考えています。
以前にも実施したのですが、今回も長年お世話になっていて過去に多数のお子さんの歯科疾患や子育てについて協働・連携してきた歯科衛生士チームリーダーの方が提案してくださっての実現。
感染対策のもと、保健センター内の広い部屋をお借りして実施しました。
主に私の方から資料とスライドを用いて下記の例のような情報提供をおこないました。
・近年のう蝕病因論の潮流と乳幼児の保護者へのう蝕予防についての助言のあり方の変化
・コロナ禍における感染対策
・低ホスファターゼ症の乳歯脱落を幼児健診でスクリーニングする必要性
・近年の小児歯科を取り巻く状況
・歯科的に注意が必要な小児科処方薬
・ストローが歯に嵌入する事故防止、早期発見啓発活動について
・フッ化物配合歯磨剤の乳幼児使用への考え方の大きな変化
・小児歯科診療の実際(診査、予防処置から重度う蝕治療まで)
・歯や口の外傷(虐待事例含む)について
・近年の保護者の子育て感
出席者からいくつかのコメントや質問もいただきました。私が持ち込んだ資料とスライドが多すぎて話が長くなり、相互の情報交換部分が少なくなってしまったのは反省点。内容は概ね好評だったようでした。
健診現場での対応法や支援が必要なお子さん・ご家庭へのアプローチについて共有し、最新の小児歯科関連情報を提供できたことは有意義だったと思います。
その日の午後には3歳児健診を担当。歯科医師会の新入会員の先生が見学研修にみえました。
平塚歯科医師会では、新入会員が幼児歯科健診に参加する前のこうした見学研修や、健診担当歯科医師を以前の全員での輪番制から協力医制に転換したり、母子保健・小児歯科に関する歯科医師会主催の講演会の受講を協力医応募の要件としたり、健診マニュアルを作成したりと他地域の歯科医師会ではあまり実施されていない努力を重ねてきました。
これらはかつて私が公衆衛生担当理事という役員をしていた際などに、その時々の歯科医師会長の理解を得て実現していただいたものです。もちろん私ひとりが動いたわけではなく、何人かの地域保健への見識の深い歯科医師会員と共に実現したのですが、ベースプランは主に私が作成しました。結果として歯科医師による助言内容が概ね統一され、安心して受けていただける幼児歯科健診(1歳6か月健診、2歳児歯科健診、3歳児健診)に近づけることができたと自負しています。
今は役員をしていませんが、今回のように説明係を仰せつかったりすればお役に立ちたいですし、コロナ対応を含めた健診のあり方や、小児歯科に関連する事業やケースには今後も積極的にかかわっていきたいと思います。