2016年03月29日
小児歯科と先天性心疾患
先月、私が所属している平塚歯科医師会で、地域の基幹病院の小児科部長にお願いして講演をしていただきました。
いつも患者さんを通じてたいへんお世話になっているその小児科ドクターには、ぜひお話をうかがいたいと長年思っていましたが、昨年、私が母子保健等を担当する歯科医師会の理事に復帰して今回の母子保健講演会の内容を決める立場となり、やっと実現しました。
歯科医師会員だけでなく平塚市医師会の医師や行政の母子保健関係職種の方に多数出席いただき、共に勉強する良い機会となりました。
講演会のテーマの中でも先天性心疾患のお子さんの歯科治療における感染予防については、小児歯科医療を行う上で大切なことだと思っています。
先天性心疾患の手術後や経過観察中のお子さんに歯科治療をする場合は、私は必ず主治医の小児科医と連絡をして、必要に応じ治療前に抗生剤を服用していただくようにしています。
歯科治療を原因とする感染性心内膜炎の発症という事態を防ぐためで、小児循環器学会のガイドラインに沿った一定の方法と薬の量があります。
小児歯科の世界では数十年前から実施されていることですが、講演を聞いて認識を新たにした部分も多々ありました。
心臓外科や循環器科における医療の進歩もあって、先天性心疾患の方々も成人してさらに高齢化していくようになり、小児科から内科へと引き継がれる際の対応や歯科治療時の留意点も時代と共に新たな局面を迎えているようです。
今回のような講演会を契機として今まで以上に小児科や各領域の医師、歯科医師、専門職との連携を深めたいと思います。
また、今回はご案内できなかった歯科医師会に所属しない歯科医師を含めた地域の歯科医師とも情報を共有する機会を、今後は積極的に作っていきたいと考えています。