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0歳からのむし歯予防 / むし歯は生活習慣病でしょうか?

 
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予防

■0歳からのむし歯予防■出産の前にできることむし歯の主な原因菌は「ミュータンス菌」と呼ばれる細菌です。むし歯はこの菌を中心として起こる「感染症」です。その成り立ちは少し複雑ですが、つまりはかぜやはしかと同じく微生物を原因とした「うつる病気」です。そしてミュータンス菌は「歯」がないと定着したり増えたりできない性質を持っています。 生まれたばかりの赤ちゃんは口の中にミュータンス菌を持っていません。5歳児のほとんどがこの菌を口の中に持っています。 ミュータンス菌はどこからやって来るのでしょう?
 

実は、子育てをしている人(多くの場合はお母さん)の口の中から唾液を介して感染するのです。 しかし、ミュータンス菌が存在しても、すぐにむし歯ができるわけではありません。 また、この親から子への感染を完全に防ぐことは残念ながらできません。ある程度以上の数のミュータンス菌が入ってきて定着し、さらに増殖していくとむし歯になる危険が増していきます。ミュータンス菌にとって好都合な環境、すなわち歯がはえて、砂糖が頻繁に入ってきたりジュースなどで口の中がいつも酸性になっていたり、ブラッシングで菌を取り除くことをしなかったりするとさらに危険は増していくわけです。
 

妊娠や出産の前に、これから生まれて来る赤ちゃんのためにできることは、お母さんの口の中のミュータンス菌の数をできるだけ減らし、活性を低くしておくこと、つまり、お母さんにむし歯があれば完全に治療し、歯をよくみがいて清潔な口の中にしておくことが、赤ちゃんへうつる菌の数や強さを最小限に抑えることにつながります。
 

■1歳頃までにすべきことデンマークのある地区では、赤ちゃんが生後9ヶ月になると、赤ちゃんとお母さんは保健センターに呼ばれます。 そこでは、ライト付きのマウスミラーと、家庭で歯の状態を記録するための「歯科検診手帳」を渡されます。 そして、お母さんは、赤ちゃんの口の中の観察のしかた、記録のつけ方を習い、定期的に通ってチェックを受けます。このシステムの中で、お母さんたちは赤ちゃんの口を観察し、はえてきた歯に触れることに慣れ、やがてブラッシングも上手にできるようになります。 この、「口の中をみたり触ったりすることに慣れる。」ことが、むし歯予防の第一歩としてとても大切なのですが、日本のお母さん、お父さんがちょっと苦手な部分かもしれません。 口だけでなく、鼻、耳、肛門などの見えにくい部分の毎日の観察は健康チェックの上で役立ちます。
 

むし歯を予防するために1歳頃までにすべきことは2つあります。
その1つ目は
 

1)毎日、口の中を観察し、歯に触れることです。

歯がはえてきたらマウスミラーをつかって観察しましょう。
4本ほどそろったら小さな歯ブラシでみがきはじめてみましょう。

さて、この頃までにすべきことの2つ目はなんでしょうか?

それは満1歳頃までに
2)母乳、ほ乳びんを卒業することです。

1歳から1歳6ヶ月頃にむし歯ができてしまう場合、ほとんどが母乳またはほ乳びんによる授乳方法に原因が求められ、非常に重度のむし歯も稀ではありません。 逆に考えれば1歳頃までに母乳、ほ乳びんを卒業できれば、普通の生活をしている限り2歳前にむし歯ができることは少ないのです。 育児にはいろいろな考え方がありますし、早い離乳をすすめない人もいます。 また、母乳やほ乳びんを続けていてもむし歯にならない子もいます。 しかし、長い時間母乳やほ乳びんを吸っている場合や、子育てしている人(多くの場合はお母さん)の口の中にむし歯が多い(今は治療済みでもかつては多かった場合も含みます。)ときは要注意です。

母乳、哺乳びんによる重度のむし歯ができる場合には次のようなパターンがあります。

  • 母乳がなかなかやめられず、1歳をかなり過ぎてしまった。寝かしつける時に授乳するのが習慣となってしまい吸いながら眠ってしまう。
  • ほ乳びんも母乳同様1歳を過ぎても卒業できず、手に持たせて与えっぱなしにしている。ほ乳びんの中身は人工乳、フォローアップミルクでもむし歯になるが、果汁、乳酸飲料等ではさらに重度のむし歯となりやすい。
  • 下痢などのときに脱水予防として「スポーツドリンク」を与え、ほ乳びんで飲ませることが習慣化してしまった。

あなたのお子さんはこうした習慣がついてしまっていませんか?
 

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■むし歯は生活習慣病でしょうか?

さて、従来から言われているむし歯予防法に、「歯をよくみがく」「甘い物は控える」というのがあります。確かに毎日の歯みがき習慣がしっかりできていて砂糖を多く含んだ食品を少ししか食べない人はむし歯になりにくいと言えるでしょう。
 

でも、(0歳からのむし歯予防)でも触れましたが、基本的にむし歯は子育てをした人(多くの場合はお母さん)から乳幼児期に感染を受ける病気であり、その後の食習慣やブラッシング習慣の影響もあるとはいえ、かかりやすさが人によって違います。
 

たとえば、小学校4年生のAちゃんは気をつけているつもりなのにすぐにむし歯ができてしまいます。 同級生のBちゃんは甘い物が好きで、歯みがきも熱心でないのにむし歯がほとんどできない、という具合です。 むし歯が多くできてしまうAちゃんとあまりできないBちゃんは、そもそものスタートラインであるむし歯の原因菌(ミュータンス菌)の感染の状況が違うことが考えられます。
 

Aちゃんの場合は乳幼児期に感染を受けて以来、むし歯にかかりやすい口の中の状態が続いているわけで、Bちゃんに比べてむし歯にかかるリスクが高いと言えます。

そして、これは本人の責任ではありませんし、日頃の努力が足りないからとも言い切れません。
むし歯は「歯のために良くない生活習慣」が原因であるという側面も確かにあるとはいえ、同じような習慣を持っていてもかかりやすさが人によってかなり違うという特徴も合わせ持っています。
 

「甘い物ばかり食べるからむし歯になるんだよ。」
とお子さんをしかるのはかわいそうな気がしませんか?

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