2007年07月06日
乳歯のむし歯(虫歯)
乳歯の重症むし歯(虫歯)の治療について、最近では県外からの問い合わせをいただくことが多くなってきました。携帯サイトを開設したためもあるかもしれません。
乳幼児の重症むし歯(虫歯)に対して積極的な治療をおこなう歯科医院は少ないことから、以前から県外や遠くは海外からみえる方もいらっしゃるのですが、このところ遠方から(多くは東京、埼玉、千葉、静岡など日帰り圏内ですが)の来院が増加傾向にあります。
今はお子さんのむし歯(虫歯)が減っていますので、お子さんのむし歯(虫歯)で悩む保護者の方がご自分の周囲を見回しても、同じような子はあまりいません。歯科医院を受診したところで、小児歯科の専門医以外では乳幼児の重症むし歯(虫歯)を診る機会が減っていますので、じゅうぶんな対応がなされないこともあります。そうこうしているうちに、むし歯(虫歯)が進行し、化膿性の炎症を起こして顔まで腫れてしまったりするようなことも起きてしまいます。放置すれば永久歯への影響は必至です。
近年、歯科医もその活動範囲を広げ、食育、摂食・嚥下、介護予防の口腔機能向上などの分野に進出しています。私も平塚市の食育推進委員会に参加させていただいたりしています。これらの仕事はとても大切なことで、将来に向け勉強していかなければなりません。
しかし、毎日のように新患として来院される重症のむし歯(虫歯)のお子さんの治療をしていると、やはり小児歯科医の本分は、むし歯(虫歯)の治療と予防処置であることを痛感します。
まだ「あかちゃん」と言っても良いような年齢からむし歯(虫歯)になってしまうお子さんもいます。治療をする方もされるお子さんもたいへんですが、治療が終わり、数年間定期診査に通っていただいて、無事に永久歯が生える日を迎えたときはうれしいものです。もっとも私は「これからが予防の本番です。今までがんばってきた乳歯の治療は、永久歯をむし歯(虫歯)から守るためでもあったのですから。」と、保護者の方と共に気を引き締めるわけですが。
遠方から来られる患者さんの中には、乳歯の重症むし歯(虫歯)は手の施しようがないようなニュアンスの説明を受け、進行抑制剤を塗っただけで様子を見るように言われていた方が少なくありません。
もちろん、選択肢はいろいろあるでしょうし、どのような医療行為を受けるかを決める権利は患者さん側にあります。しかし、小さなお子さんの重度むし歯(虫歯)でお困りの保護者の方は、ぜひ情報を集め、小児歯科の専門医を受診されることをおすすめします。
特に、授乳や哺乳びんの長期使用が背景にある1~2歳の低年齢児のむし歯(虫歯)は、上の前歯が溶けるように急激に進行します。治療開始は早いほど良い結果につながると言えます。
低年齢児の重症むし歯(虫歯)の生活背景については、こちらhttps://angel-dc.com/kiji.pdfをご一読ください。
1歳7ヶ月児 治療前
治療後