乳歯の虫歯の影響は?

乳歯は生えかわるから治療の必要はないと思われがちですし、信じられないことに小児歯科の教育を受けてきたはずの歯科医師の中にもそんなことを言う人がいるようですが、大きな間違いです。

昔は国民の間に虫歯(むし歯)が蔓延し、小児の歯科治療が後回しにされていた傾向があったようです。

しかし近年は、いくつかの理由で小児の歯科治療が敬遠され、方便として上記の「乳歯は生えかわるから」発言に至るのではないかと思っています。
その理由とは、全体的には小児の虫歯(むし歯)は減少しているので乳歯の、特に進行した虫歯(むし歯)の診療経験数が少なく歯科医師やスタッフの対応力が低下していたり、治療となれば協力してくれそうにない小児やその保護者との良好な?関係を破綻させたくないので治療を回避したり、あるいはマーケティング上の事情(この記事の後半をご参照ください)などでしょうか。

虫歯(むし歯)が軽いうちは、進行抑制剤の塗布や経過観察という選択肢もあるでしょうが、乳歯は構造上永久歯よりも虫歯(むし歯)の進行が早いので、経過観察という名目で半年も放置すれば歯髄に達する深さとなることもあります。

乳歯の虫歯(むし歯)を放置してしまうと下記のような影響があります。
1)かむ機能の低下や顎の発育への影響  
2)歯ならびへの影響 
3)顎の骨の中で発育中の永久歯への細菌感染   
4)生えてきた永久歯の(虫歯)むし歯を誘発 
5)発音や言語機能への影響
6)偏食・食欲低下の原因となる   
7)心理面への影響

もちろん、乳歯の重度虫歯(むし歯)から強い痛みや歯肉や顔の腫れが起これば通常の生活を送ることすらできません。

上記のうち、一般の方々にイメージしていただきやすいのは3)かもしれません。
イラストは、乳歯の虫歯(むし歯)の下で骨の中で育ちつつある永久歯の芽への細菌感染の危険を表現したものです。

乳歯のむし歯の影響

実際に乳歯の虫歯(むし歯)から骨の中にある永久歯の芽が感染を受けてしまうと、形や色に問題がある(「ターナー歯」と呼ばれています)質的にも弱い永久歯となってしまいます。
生えてきた時点でこの状態です。(写真)

2ターナー歯

ターナー歯も多くの場合治療は可能ですが、乳歯を正しく治療しておけば避けられたはずの残念な連鎖です。

乳歯の虫歯(むし歯)治療の実際や、ご心配な方の受診先はこちらをご覧ください。